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身体的拘束最小化に関する指針

1.身体的拘束最小化に関する考え方

身体的拘束は、患者1人1人の生活の自由を制限することであり、尊厳ある生活を阻むことである。宇野病院(以下当病院という)では、患者の尊厳を尊重し行動を制止することではなく、どのような思いでいるのかを職員1人1人が身体的・精神的弊害を理解し身体的拘束をしない医療・看護・介護実践に努める。安易に身体拘束をするのではなく、それに代わる方法はないか十分に検討し、やむを得ない状況をなくすために当病院として何をなすべきかを考える。

1)身体拘束禁止規定(平成11年3月31日厚生省令第40号)

「サービスの提供は、当該入所者(利用者)又は他の入所者(利用者)の生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束その他入所者(利用者)の行動を制限する行為(以下「身体的拘束など」という)を行なってはならない」

2)緊急やむを得ない場合とは

入院患者個々の心身の状況を勘案し、疾病・障害を理解した上で身体的拘束は行わない医療・看護・介護を実施することが原則である。しかし、身体的拘束による心身の損害よりも、拘束をしないリスクが高い場合で切迫性・非代替性・一時性の3つのすべての要件を満たした場合のみ本人・家族の同意を得て行なう。

【切迫性】
行動制限を行わない場合患者の生命または身体が危険にさらされる可能性が高い
(意識障害、説明理解力低下、精神症状に伴う不穏、興奮)
【非代替性】
行動制限以外に患者の安全を確保する方法がない
(薬剤の使用、病室内環境の工夫では対処不能、継続的な見守りが困難)
【一次性】
行動制限は一時的であること

3)身体拘束の対象となる具体的な行為

厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」2001では、以下の11行為を身体拘束にあたるとしている。

①徘徊しないように車椅子や椅子、ベットに体幹や四肢をひも等で縛る。
②転落しないように、ベットに体幹や四肢をひも等で縛る。
③自分で降りられないように、ベットを柵(サイドレール)で囲む。
④点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
⑤点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
⑥車椅子や椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰ベルト、車椅子テーブルをつける。
⑦立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。
⑧脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
⑨他人への迷惑行為を防ぐために、ベットなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
⑩行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
⑪自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

4)身体拘束がもたらす弊害

①身体的弊害

②精神的弊害

③社会的弊害

5)日常ケアにおける留意事項

身体拘束を行う必要性を生じさせないために、日常的に以下のことに取り組む

①患者主体の尊厳ある生活になるよう援助する。
②ユマニチュードを活用し患者への言葉遣いや応対などを行い精神的な自由を妨げない。
③患者の思いを汲みとり、患者の意向に沿ったサービスを提供し多職種協働で個々に応じた丁寧な対応に努める。
④患者の安全を確保する観点から、患者の自由(身体的・精神的)を安易に妨げない。
⑤「やむを得ない」と拘束に準ずる行為を行なっていないか、常に振り返りながら、患者に主体的な生活を送っていただけるよう援助する。

2.身体的拘束最小化に向けた体制

身体的拘束最小化委員会の設置:身体的拘束廃止に取り組む

1)身体的拘束最小化にむけた取り組み

2)身体的拘束最小化委員会の開催

3)身体的拘束最小化に向けて恒常的に活動を行う

①身体的拘束の種類および時間、その際の患者の心身の状況、並びに緊急やむを得ない理由を記録する。
②身体拘束をせずに行うケアの推進


③認知症高齢者へのケアと事故予防への積極的な取り組み
④家族の理解
⑤入院患者の入院前の情報収集を行なう。


⑥患者に危険と思われる症状が出現した時は、身体拘束をせずに「せん妄」の有無を症状から判断する。

4)この指針の閲覧について

当院での身体拘束最小化のための指針は認知症対応マニュアルに綴り、職員が閲覧可能とするほか、当院ホームページに掲載し、いつでも患者・家族及び地域住民が閲覧できるようにする。

令和6年12月改訂
宇野病院 身体的拘束最小化委員会

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