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大腸ポリープ

ポリープ・腺腫・早期癌の違いを知りましょう!

大腸ポリープ

大腸(S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸・回盲)や直腸にできたキノコ状、イボ状の隆起性病変の総称です。

大腸腺腫

大腸にできた腫瘍性ポリープで、良性の腫瘍です。しかし、腺腫は癌に変化しやすい性質があるため、綿密な検査や治療が必要になります。

早期大腸がん

大腸にできた腫瘍性ポリープで、悪性の腫瘍です。癌の広がりが、粘膜下層に留まるものをいいます。癌が小さく、一般的には転移も認められず、治療によって完治の期待ができます。


症状と分類

ポリープ(腺腫、早期癌)が小さいうちは症状がほとんどありませんが、大きくなると排便時に出血したり(便に血が混じることもあります)、場合により腹痛や下痢、腹部の張り、便が出にくい等の自覚症状が出たりします。同様の症状は大腸がんの症状でも見られることがあります。

腺腫性ポリープ

いわゆる大腸腺腫です。最も多いポリープで、癌に進展する可能性が最もあります。サイズが大きかったり、徐々に大きくなったりした場合は特に注意が必要です。

過形成ポリープ

基本的には良性ですが、癌に進展する可能性もわずかながらあります。ほとんど正常な大腸の粘膜細胞が炎症などの原因で増えてしまいポリープのように見えるものです。

炎症性ポリープ

癌に進展する可能性はほとんどありません。激しい腸の炎症後、粘膜が再生するときに増殖した細胞が塊を作りできるものです。

粘膜下腫瘍

粘膜下にできる腫瘍のため、隆起が穏やかです。ほどんどが脂肪腫などの良性腫瘍ですが、悪性腫瘍が隠れていそうな時は切除の対象となります。


検査の種類

便潜血検査

便の中に、微量な血液が含まれているかを調べます。

肛門鏡(直腸鏡)検査

筒状の器具を肛門から挿入して肛門から直腸内を直接観察します。

直腸指診

医師が指で直接、直腸の触診を行います。

注腸検査(バリウム検査)

肛門からバリウムと空気を注入し、レントゲン撮影を行います。

大腸内視鏡検査

肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの大腸全体を検査できます。

当院の内視鏡検査は全て熟練した医師が行います。

大腸CT検査(CTコロノグラフィ)

大腸内の様子がバーチャルリアリティーで確認できるCTスキャナによる検査法です。便潜血反応が陽性の方の二次検査・精密検査として有用な検査法として近年注目されています。

カプセル内視鏡検査

小腸造影検査やCTなどのX線診断に頼らざるを得なかった小腸の病変診断ですが、カプセル型の内視鏡を口から飲み込むことにより、腸内の撮影が可能になりました。飲み込んだカプセルは肛門から排出されます。患者さんの身体に負担が少なく、腸内の撮影が簡便に行えるよう先進的な医療のカプセル内視鏡を導入しました。 カプセル内視鏡検査についてはこちらをクリック


内視鏡的手術の種類

便潜血検査や注腸検査などの検査を経て、内視鏡検査でポリープが発見された場合、癌、もしくは癌に変化する可能性のあるポリープが切除対象となります。

内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)

①内視鏡にてポリープの形状や性状、正常粘膜との境界などを観察。
②切除対象のポリープに、内視鏡の先端部から出した輪状のワイヤーを掛ける。
③徐々にワイヤーを締める。
④弱い電流を流し切除します。

コールドポリペクトミー(Cold polypectomy)

コールドポリペクトミーは、状況にもよりますが、7~8mm以下の小さなポリープに対して粘膜下層を傷つけずに粘膜の病変を摘除します。高周波電気を使用しないため、出血や穿孔などの合併症の危険性は従来より低くなっています。万一、合併症が発症した場合は摘除部位をクリップで縫縮して対応します。 高周波電流によるポリープ切除術だと、1週間の食事制限や運動制限、活動制限が必要になりますが、コールドポリペクトミーであれば3日間の制限と短くなります。ポリープ摘除後の3日間は、排便時の強い力み、長湯や熱めの風呂、運動や遠方への外出など控えてください。また、香辛料、アルコールなどの腸を刺激する飲食は避けてください。 高周波電流によるポリープ切除術だと最低でも2泊3日の入院が必要になりますが、コールドポリペクトミーのみの手術であれば入院が不要で、外来の治療となります。遠方の方やご高齢の方には、日帰り、又は1泊の入院をおすすめいたします。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

ワイヤーがかけにくい病変、大きく切除する際に大腸の穿孔を防ぐのに有効です。
①内視鏡にてポリープの形状や性状、正常粘膜との境界などを観察。
②病変の下層に生理食塩水を注入し病変を持ち上げます(ふくらます)。
③内視鏡の先端部から出した輪状のワイヤーを掛けます。
④徐々にワイヤーを締める。
⑤弱い電流を流し切除します。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

①内視鏡にてポリープの形状や性状、正常粘膜との境界などを観察。
②病変の下層に生理食塩水を注入し病変を持ち上げます(ふくらます)。
③マーキングした部分より外側の粘膜を切ります。
④電気メスで、病変を削り取ります。


当院で内視鏡検査を受診されてはいかがでしょうか?

ポリープが発見されたら、そのまま日帰り内視鏡的手術!

ポリープの大きさや形状または数などの症状にもよりますが、重度のものでなければ検査当日に、入院することなく日帰りで、ポリープの切除を行うことができます。日帰り手術には以下のメリットがあります。
◆手術のために再度体調を整える必要がなく、身体へ負担少なく済みます。
◆入院のわずらわしさがありません。
◆1度に検査と手術を行うので医療費が安く済みます。

消化器科・内視鏡科・肛門科
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オリンパス社製 内視鏡システム EVIS X1

炭酸ガス送気法により苦痛を軽減

大腸内視鏡検査では、従来は空気送気にて腸管を膨らませて観察を行ってました。この方法だと検査終了後に腸管内から空気がなかなか抜けきれず、腹部膨満感や不快感が持続することがあり、これも大腸内視鏡検査が苦痛である原因の一つでした。当院では、観察の際に空気ではなく、二酸化炭素(炭酸ガス)を送気しています。炭酸ガスは空気と比べ、腸管から血液へ吸収されやすく、呼吸により速やかに肺から体外に排泄されます。炭酸ガスは空気と比べ極めて生体吸収に優れており、拡張した腸管は速やかにしぼむため、従来より苦痛が軽減されました。

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ご希望の方には麻酔による痛みのない検査

不安の多い方や痛みに敏感な方は検査の最初から麻酔を使用します。寝ている状態で検査を行います。ご希望の方はお申し込みください。


内視鏡的手術における予期される合併症

場合によっては、手術中、および手術後の合併症として治療部位からの出血や、穿孔が予期されます。また、状況によっては外科的手術(開腹術)が必要となる可能性があります。内視鏡を使用して以下の処置で対応いたします。

局注法

出血部に止血効果のある薬剤を注入します。

熱凝固法

高周波電流で出血部の組織を凝固させます。

機械法

クリップと呼ばれる医療器具にて出血部を直接結紮します(ホチキスのイメージ)。数日~数週間で自然に外れ便とともに排出されます。

薬剤散布法

止血効果のある薬剤を出血部周辺に散布します。広い部位に適しており、上記のような局所的治療に対する補助療法として用いることがあります。



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