当院では、1999年8月より外来患者さまのお薬は全面的に院外処方箋を発行しています。厚生労働省の進める医薬分業を受けて、西三河地区でいち早く分業体制を構築できました。
複数の医療機関でお薬を処方された場合、それぞれの医療機関のお薬が2重になってしまったり(重複投与)、飲み合わせの悪いお薬(相互作用)が出てしまうことがあります。
医薬分業は、「かかりつけ薬局」を決めていただき、それぞれの医療機関の処方箋をその「かかりつけ薬局」に持っていき、お薬の説明だけでなく、重複投与や相互作用を防いでいく目的があります。
当院では医薬分業を取り入れ、私たち薬剤師は病棟業務をはじめ、次の業務内容に取り組んで、患者さまのためより良い医療の提供に努めてまいります。
入院患者さまの内服薬や外用薬は、医師が入院処方箋を発行し、それをもとに薬剤師がお薬を調剤します。薬剤師はその処方に対し、お薬の用法用量、使用方法、投薬方法、投薬日、投与日数が適切かどうか判断します。さらに禁忌、併用禁忌、併用薬との相互作用がないかも確認します。また、患者さまに合わせた薬剤の剤形変更なども医師に確認して剤形を変更し、患者さまにあったお薬を調剤しています。
患者さまが他の医療機関で処方されたお薬について、お薬の効能効果、服用方法、当院での類似薬を調べます。入院患者さまについては、現在服用しているお薬を錠剤鑑別し、医師にそのお薬の服用の可否(有無)を確認します。服用指示があるときは医師より持参薬処方箋が発行されます。持参されたお薬が服用できる場合は、医療費の患者さま負担軽減のため、できるかぎり使用させていただいています。
入院患者さまのお薬は、当院で処方されたお薬、持参された他院で処方されたお薬を、それぞれすべて1回服用分ずつ分包(1包化)しています。分包されたお薬には、患者さまのお名前、服用日、服用方法、薬剤名を印字しています。またお薬の管理が必要な患者さまに対しては、1回服用分ごとに毎日セットし、病棟に払い出しています。
入院患者さまの注射薬は、医師が注射処方箋を発行し、それをもとに薬剤師がお薬を調剤します。薬剤師はその処方に対し、お薬の投与量、投与方法、投与時間、投与回数、投与日数が適切かどうか判断します。さらに一定時間内に使用される注射薬全体の配合変化、相互作用がないかも確認します。また、患者さまに合わせた薬剤の投与経路なども医師に依頼して経路を変更し、患者さまにあったお薬を調剤しています。
入院患者さまの注射薬は、1回分を基本単位として取り揃え、患者さま個々にセットして毎日病棟に払い出しています。そして1回分ずつセットされた注射薬には、患者さまのお名前、投与日、投与方法、薬剤名を印字しています。
TPN(Total parenteral nutrition)、 複数の薬剤を混ぜて使用する注射薬、抗がん剤は薬剤師が当日調製しています。クリーンベンチ内で無菌的に調製し、配合変化の防止、ビタミンBや微量元素などの不足がないようチェックも行います。抗がん剤は安全キャビネット内で、被爆対策をとりながら調製しています。
医師より依頼のあった患者さまに、ベッドサイドにてお薬の効能・効果、使用方法や注意点を説明したり、患者さまの不安や疑問などをお伺いしています。患者さまからのご要望を、医師や看護師に伝え、薬剤の変更や服用・投与方法の変更などをしています。また血液データや細菌検査などもチェックし、適正使用の貢献、服薬コンプライアンス向上、服作用発現の防止・早期発見につとめています。
医薬品に関する副作用・使用方法などの最新情報を收集し、提供しています。院内に毎月1回DIニュースを発行し、医師をはじめとする全医療スタッフに配布しています。
当院のお薬が安全な状態で管理され患者さまに提供されるようにしています。期限の確認や指定された方法で適切に保管されているかを毎月1回確認しています。
お薬の採用や中止は薬事委員会で決定しています。採用したいお薬は各医師、薬剤師などから薬事委員会に申請されます。
それらを常勤医師全員と薬剤師で審議し、決定しています。またジェネリック薬品(後発医薬品)への変更に場合も、薬剤課から申請をし、審議して決定します。積極的な後発医薬品の採用に努めています。またお薬の適正使用の推進や副作用報告も行っています。