脳波検査
脳波検査
脳はその活動にともなって常に微弱な電波を出し続けており、それは頭の表皮上におけるわずかな電位差(電流は電位の高いほうから低いほうへ流れる)となってあらわれます。 その電気的な変動を頭部に付けた電極でとらえ、増幅し、波形として記録するのが脳波検査です。
脳波検査で何がわかるのか?
けいれんを起こしたとき、意識障害がみられる時、症状には出ない軽い意識障害をみつけようとする時、てんかんが疑われるときなどに行われ、脳腫瘍などの診断にも有用です。脳死判定の際にも用いられています。頭部CT検査や頭部MRI検査などの結果とあわせて診断され、脳腫瘍やけがによる脳障害(脳挫傷)であれば、CTに映りますが、真正てんかんであればCTに異常はみられません。脳出血や脳梗塞ではCT検査などで十分に診断が付くので、脳波検査が行なわれることはほとんどありません。
脳波検査はどのような検査か?
ベッドに仰向けに寝て、頭に十数個の電極をペースト等で取り付けます。安静にしていて、目を開いたとき、目を閉じたとき、深呼吸をしたときなどの脳波を調べます。てんかんなどでは光や音の刺激を与えたり、薬物を投与して測定します。また、睡眠中の脳波を測定することもあります。 検査時間は準備を含めて約90分位です。
検査結果の判定
脳波はその波長によって、δ波(デルタ波)、θ波(シータ波)、α波(アルファ波)、β波(ベータ波)の4つに分類されます。成人の場合、安静にして目を開いているとベータ波が、目を閉じているとアルファ波があらわれ、熟睡しているとデルタ波が出てきます。 もし、覚醒しているにもかかわらず、デルタ波やシータ波があらわれる場合は、脳の機能が低下していると考えられ、てんかん、脳腫瘍、脳挫傷などが疑われます。
異常があったらどうするか?
脳神経科や脳外科の専門医が、頭部CTとそのほかの検査とあわせて、総合的に診断を下すことになります。
異常な場合に疑われる病気
てんかん、脳腫瘍、脳挫傷、脳出血、脳梗塞、肝性昏睡、薬物中毒による意識障害など